メディア芸術コース2025パンフレット|多摩美術大学
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お茶いる?Department of Information Design Art & Medis Course Tama Art University 2025場は、作者にとって、"顔の知らない隣人"である。これは、そんな歪な共生関係を淡々と描く試み。[プロジェクト]"still human"は、肉体の任意の場所にカメラを装着し、その映像をヘッドマウントディスプレイを通してみることで「目の位置を移動させる」実践である。例えば、足先に目を移[プロジェクト]身近にある資源を集積し、整頓を行うことで、常に資源を消費しているというゴミに新たな視点に気づき、環境問題について考えるきっかけを作ることを目的とした作品。[インスタレーション]高度経済成長期に住宅難解消の目的で開発された多摩ニュータウンの周囲には、隣接するようにいくつものゴルフ場が存在する。作者は自作のゴルフマシンを、故郷である多摩ニュータウンへ持ち出し、ボールを打ちながら様々な場所を巡り歩く。集合住宅では隣人の顔すらよく知らない、ということがあるように、ニュータウンの均質的な日常から遠く離れたブルジョワジーの象徴のようなゴルフヒラヤマナツホ0504030604菅澤ゆづき『セイトンプロジェクト@相模原市』05『隣り合う人の顔も知らぬまま』06花形槙 『still human』動させると、自ずと"前"は逆転し、足先は頭に、脚は首に、両腕は後ろ脚に再構成され、二足歩行は解体される。そこから立ち上がる肉体は、これまでこの社会で埋め込まれてきた振る舞いを相対化し、"正常"なる人間から軽やかに「生まれ直す」。

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