メディア芸術コース2023パンフレット|多摩美術大学
15/24

Future Lab153–4年次.[アニメーション]紙に鉛筆と色鉛筆で描いた手描きアニメーションである。テーマは「呼吸」である。アニメーションの描き方に着目し、1コマごとに描線の違いや細密度の変化をつけることによってアニメーションの画面自体から「呼吸」を感じられる表現を目指した。この赤ん坊は昼寝をして夢を見ている。人の赤ん坊は、手に指を持っていくと握ったり、水中では泳ぐ動作をするなど、祖先の記憶の名残が見られる。「遺伝子の中には祖先の記憶を持っている」と捉えて、赤ん坊が夢の中で色々なものに出会う。この夢の中で、私たちの祖先との繋がりやこの地球にいる生き物との繋がりを、「呼吸」という共通の生理現象を通して描いた。熊谷 楽々三好 るき幸服[立体]作家はハッピーターンというお菓子が大好きで、その包み紙に書かれたものを読むことも楽しみの1つだ。しかし、その包み紙は一般的には見向きもされず、ゴミとして廃棄されてしまいがちである。そこで、お菓子ではなく人間を包む衣服=ドレスの形にすることで鑑賞者にインパクトを与え、観賞後、ハッピーターンの包み紙に注目してもらえるのではないかと考えた。使用枚数は約4000枚、熱による溶接のみで本作は製作されている。[インスタレーション]日々、私も世界も変わっていくけれど、タンポポの綿毛は毎年変わらず繰り返し芽吹く。人とは違うゆったりと佇み生きる植物の世界に引き込まれた。子供の頃よく遊んでいたタンポポの綿毛を素材にすることは、私にとって原点回帰のようなものだ。綿毛に引き出された子供心と共に大人になった私はこの作品を作っていた。いつかこの作品が壊れてもまた土に植え芽吹く日を待つ。中山 阿莉沙watageゆらら

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る