メディア芸術コース2023パンフレット|多摩美術大学
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mage LabI.193–4年次小林 優希Iʼm here.[写真]「全てのものは確かに意味を持って存在している」 私たちの身の回りはたくさんの「モノ」で溢れている。それは大小様々存在し、当たり前のように私たちの生活に根付き、当たり前のように消費されている。そういった存在を作品として昇華することで身近にある「当たり前」を見直し、日々の生活の豊かさに気づく。そして自分自身が画面に加わることで私が存在することを知る。 この作品の鑑賞者が身の回りの小さな存在に気づき、意識を向けるきっかけになればと思う。久保田 碧音愛♡コンタクト 〜宇宙との交信〜[映像インスタレーション/映像]私は宇宙人から地球人へのメッセージをテーマに制作しました。 この宇宙人はある地球人に片思いをしています。そして告白するために、この装置を作りました。 この扇風機は宇宙人とこの場をつなぐことのできる装置です。 会場内には扇風機の回る音、扇風機で震えている歌声が響き渡り、宇宙人は日本語は話せないけれど懸命に気持ちを伝えようとしています。 動物の感情を読み取る時のように、あるいは母国語の異なる人と話すときのように、言葉以外のコミュニケーションで、種や性別、星を超えて分かり合えることを表現しました。 私は鑑賞者にワクワクしてもらう時間を与えたかった。作品を見た後、喫茶店で友人と小一時間話せるようなものにしたかった。この想いが届いていたら幸いです。オウ ショウヨ記憶と創造──映像における記憶の再現[映像]家族と料理を題材とするドキュメンタリー、作者自身によるモノローグのナレーションが魅力的。作品に登場する人々や風景や料理が、どこか懐かしく、多幸感に溢れているように感じるのは、対象に向けられた作者の愛情溢れる眼差しによるものだ。「バナキュラー・ドキュメンタリー」と呼ぶべき先駆的なアプローチを、独自の視点で作り出した妙作。

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