演劇舞踊デザイン学科 第4期生 卒業制作 演劇公演「□□□・ミーツ・□□□」
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野上:みんな同じなんですよね、やりたいという気持ちだけでまとまった考えはないし、完璧なものではないっていうのは一緒で、なんか共感しちゃったんだと思います。薮田:そうですよね。カンパニーデーは詰め問答みたいというか…藤井:週1だからさ、1週間で溜まっていたみんなの「ここはどうやっていくんだ」っていうのがバッて来るんだよね。それが怖かったから、私毎日、みんな来ていいですよみたいなzoomを開いてた。薮田:まあ会議の形式も問題があったのかもしれないね。公式な場っていう意識が強いから、俺も運営会を立ち上げるときに言われたけど、言葉の選び方が真面目すぎたり、伝え方が怖くなったり。会議全体の空気が、本当に議会で議員がお立ち台に立たされてさ、カメラがバシャバシャしていて「これどうなっているんですかー!」って周りに言われているみたいになっちゃう。下川原:確かにその感じはあった。藤井:ちゃんとしなくちゃって思うもんね。「なにかしこまってんの!ワハハ!」みたいな空気が生まれないじゃん。だからこう、ズーンってしていくっていうか …。千葉:伝えたい側としては、あなたにちゃんと伝えたいという気持ちが先行するばかりにあの文章になっちゃってるわけだから…。薮田:そうそうそうそう。千葉:金曜日っていうのも悪かったかもね、曜日的に。締めっていう部分ではいいんだけど、1週間の終わりに詰め込むような形で集約され22やっているイメージがあったから、それでも企画出すって相当な覚悟だなって胸を打たれて、私も頑張らなきゃってなりました。下川原:ありがとう。そう言ってもらえるとめっちゃ嬉しい。野上:忘れられないですね。「舞台で出せないものを出したいと、私は思っただけなんです!」って言いながら(笑)。弱みを見せないとやっぱり企画って進まないんですよね。何を本当にやりたくて企画を立ち上げているのかと、何が足りないのかということを露呈させないとその先の話にはいかない。すごく劇的で、私も未だに覚えています、あの瞬間は。薮田:あれが忘れられない。野上:下川原さんが泣いた後に、なぜかさくらさん(村上さくら)が泣いて…。藤井:「なんで?」って(笑)。野上:「お前はどうした!?」って(笑)。下川原:確かにそうだ!さくら泣いてた。薮田:お互いの企画をディスりあうっていうのを一回やったんですけど。全然ディスらなかったなっていうのが俺結構あって。藤井:みんな企画に本気だからディスるって感じじゃなかったよね。全員めっちゃ頑張っていて、出し惜しみせず出している感じだったから。もっとこうしたらいいんじゃないの会だったよね。薮田:もう他の所がしっかり本気でできているからこそ、この企画出すのやめたらいいんじゃない?とか言えないじゃないですか、ディスり会のとき。ダメ出しを言う必要はなくてもあそこで企画の根幹にかかわる、これって結局何が面白いのってことを言い合えるためにはどうすればいいのかなって俺はディスり会の時に悩んでいましたね。例えばあそこで「なんで企画一つに絞らなきゃいけないんだっけ」っていう意見ももしかしたら出ていたかもしれなかったわけじゃないですか、何でそれが出なかったんだろうなっていうのが結構不思議ですね。あれも腹の探り合いになっちゃっていたのかな。藤井:どうだろう。私さくらさんに聞きたいこと聞いていたなあ。あ、でもりんちゃんその時他のことで忙しくて一時期いられなかったから、りんちゃんにとってはやりにくかったっていうのもあるかも。あまり参加できない中でのディスり会だったよね。薮田:そうだね、2回くらいあいてからの。藤井:突然のディスり会だ。薮田:マジかって(笑)。藤井:そんなことしたわ。…すごく熱かったよね、企画者同士はめちゃめちゃ熱かったなって思って。少年漫画みたいな気持ちでみんなやっていた感じはあるなって思う。藤井:決定のときに多数決にしたじゃん、あれ、ほかになにかやり方あったのかなって思って。あの時は難しい!って言って民主主義の多数決にしたけど…。薮田:あの時、さくらと南雲が土壇場で合併したじゃないですか。でていたから。結局どの曜日にいってもそれぞれ苦しみがあるんだろうけど…。野上:みんなそれぞれに駄弁りが出来ないのは辛かったよね。それぞれが住んでいる所とか家族とか置かれている環境とかが全然違うので、そこで面白かったこと、響いたこととか話すと、コミュニケーションがすごく円滑になる。だけど、お互いのパーソナリティーがまるでわからない状況で全体の企画の話をするってなると、この企画の狙いとは?みたいなところがなかなか見えない。でも下川原さんがボソッと言った「私は舞台で具現化出来ないことがしたかっただけなんです」っていうのは凄く下川原さんのパーソナリティーに触れた感じがしましたね。

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