演劇舞踊デザイン学科 第4期生 卒業制作 演劇公演「□□□・ミーツ・□□□」
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舞台美術アドヴァイザー演劇舞踊デザイン学科4期生の皆さん、卒業公演開幕おめでとうございます。4年間の集大成を今ここに学外に発表できることは、皆さんにとっても、私にとっても感慨深いものがあります。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前期のほとんどが休講や遠隔授業でした。後期からは登校しての授業が始まりましたが、この未曽有の出来事の中、一人ひとりが、自分のいままで、自分の今、そして自分のこれからをじっくりと見つめ直すことができたのではないでしょうか。いままでの4年生にはできなかった貴重な体験であり、決して無駄な時間ではなかったはずです。この状況の中、一人ひとりが、卒業公演という同じ目標に向かって、困難を乗り越え、絆で結ばれていくプロセスは、何ものにも代え難い宝だと思います。3ケ月後には、卒業してそれぞれ別々の道を歩んでいきますが、この卒業公演が終わりではなく、皆さんの人生のスタートなのです。この宝を忘れずに、さらなる飛躍を期待しています。衣裳・プロデュースチーム アドヴァイザー5月11日にようやく新学期の授業が始まった2020年度。在宅課題学習の期間を経て、6月22日から段階的な登校が始まった。[卒業制作 演劇公演]の授業進行目標は、前期中に企画立案を着地させること。毎週金曜日にカンパニーデーと称する公式会議を開催し、議論をする。この会議をフィジカルな参集を伴わないで行った。フィジカルなミーツなしに、起き上がった企画が『□️□️□️・ミーツ・□️□️□️』。このことは深く永く、記憶に刻まれる。「ミーツ!」と発語すると、口角がぐっと上がり、笑顔になる。笑顔は心の栄養だ。企画会議に始まり、稽古、製作中にも口角が上がることは幸いだ。ディストピアにおいても、歩みを止めない、止められないのが人類の歴史であるなら、口角上げて歩いていよう。演劇も、劇場も人類の歴史とともにある。本企画にご関心いただき、ご来場、ご視聴いただいておりますみなさまに、心からの感謝を申し上げます。照明アドヴァイザー演劇舞踊デザイン学科の皆さん、卒業制作演劇公演の上演本当におめでとうございます。今回の上演開催はコロナ元年と云う事で、上演可能かどうかさえ危ぶまれる不安と絶望との闘いでありました。そして今でも完全な安全が確保された訳では無い状況の中で、規制と自重の上での演劇上演となりました。この様なこの環境下、学生も教員も演劇とは果たして何かと云う根本的な命題について考えざるを得なくなりました。答えに正鵠を射る事は不可能な命題です。唯一云えるのは演劇は有史以前から脈々と継続されてきたと云う事実です。為政者に規制された歴史等あったものの演劇自体は滅びなかった事実です。近くは2001のテロやその後のイラク戦争。国内では阪神淡路や東日本大震災。この時期多くの学科教員は社会的存在として顕れてきた時で激しく未来への絶望感を感じていた筈です。しかし人々は演劇も音楽も踊りも決して投げ捨てなかった事実です。スペイン風邪流行時の芸術家達も同様であったと想像するのです。故に、この困難な経験は決して無駄ではなく、無駄にしてはいけない歴史だと思うのです。 26金井 勇一郎加納 豊美成瀬 一裕

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