演劇舞踊デザイン学科 第4期生 卒業制作 演劇公演「□□□・ミーツ・□□□」
5/36

脚本部・体験展示スタッフ距離感、密度、呼吸のアレソレ……いろんな事が1年前と比べて変わりました。皆さんお元気ですか。お変わりありませんか。「変わった」のに「お変わりないか」というのも変ですが、聞きたくなっちゃったりしませんか。私はします。本作に関わってからずっと「ミーツ」ということについて考えています。「ミーツ」は「出会い」、それはつまり「“出て”会う」こと。この場所を“出て”行き、次に進み、ナニカを見てナニカを感じていく。自分を曝け“出し”ていく。そのために今を、ここを、自分を、あなたを、抱き締めたい。これは演劇らしいテーマであり、卒業制作らしいテーマです。演劇には、美しい舞台美術があり、きらびやかな照明があり、華やかな衣裳があり、軽やかな音響があり、生々しい演技があり、豊かな時間があります。在って欲しいと願っています。懲りずに願ってしまうから、こんなふうに、諦めずに作ってしまう。作りたくなってしまう。そういう学友達と出会えたことを本当に嬉しく思います。皆さんはこれからどう変わっていくのでしょうか。私はしばらく変わらないつもりですが、変わったと言われる日も来るのでしょうか。次会うときはお互い、息がしやすい世の中だといいですね。本日はご来場、ご視聴、誠にありがとうございます。『□□□・ミーツ・□□□』、ぜひお楽しみください。脚本部・役者劇場に足を運んでくださった皆様、そしてこれを読んでくださっている皆様、誠にありがとうございます。今年は誰かにミーツするには難しい年になりました。今回、この作品を作る上でミーツの概念的なものを考えて要素を出しました。人とのミーツはもちろん、本とのミーツ、食とのミーツ、音とのミーツ、自然とのミーツ、悲しみとのミーツ……などなど。私にとって最大のミーツは小さな頃から耳に残っている、あの夏、田舎の海や鳥の声、星々の煌めき、家の並びや太鼓の音です。迷ったときや、どうしようもなく悲しくなったとき、必ず思い出します。耳の中に貝殻でも入っているみたいに波の音が聞こえます。皆さんにとって最大のミーツって、どんなものでしょうか?人それぞれのミーツがあって、そうして今を使っているのだと思います。ミーツしなかったことさえミーツなんだと思います。この脚本がこの結末に至るまでにはいろいろな事がたくさんあって、ミーツしては、別れて、ミーツして、別れて、またミーツして……何度も何度もミーツと別れを繰り返してきました。やっぱり出会いがあれば別れがある。別れた後にも出会いがあって……と、繰り返しなのだなぁと再確認しました。そんなこともありながら、尊敬する南雲さんの中のナニカと私の中のナニカがミーツして作られた作品です。この作品を見た皆様の中で、ナニカにミーツしてもらえたら幸せです。33南雲 沙希堀野 愛

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る