彫刻学科2024パンフレット|多摩美術大学
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「彫刻」に出会ったきっかけは?小さい頃から石を集めたり、触ったり、磨く感覚に魅力を感じて遊んでいたそうです。両親に美術館に連れて行ってもらって、何なんだろう?って見たりする中で、「美術家」という人たちの存在を知りました。高校で美術科に進学して、2年生の頃には彫刻をやりたいと感じていました。正々堂々と存在している本物感や、触ったり、身体とシンクロして鑑賞できるし、作り方も気になるし、、自分で粘土を触って石膏取りしたりして、どんどん彫刻にのめり込んでいきました。一般入試ではなく総合型で入試を受けたんですよね?高校で既に沢山作品を作っていたので、自分のやってきた事そのものをポートフォリオと面接で見てもらえる総合型入試を選択しました。多摩美に入学してからの印象などを聞かせてもらえますか?1年生の時はとにかく課題に食らいつかなきゃという感じでしたが、2年生になって少し落ち着いていろんな事を模索しながら、プロセスとして作品の作り方を考える様になりました。高校生の頃は彫刻といったら造形をする事だけが制作の主軸でしたが、今は彫刻って一体何なんだろうっていうところから遡って、そこから制作している気がします。それから、1、2年生には課題以外に自由に制作できる自主制作室があって嬉しいです。作品を作るための環境が整えられているという触れ込みは、本当だったと実感しました(笑)多摩美の全体の雰囲気はどう見えていますか?いろんな人が居て、皆が違うものを作っていて、それぞれ内面が作品に現れていて、新しい知識や価値観が次々と自分の中に入ってくる場所だなと感じました。至る所で常に展示やイベントが開催していて、他学科の人がどういうものを作っているかを知ることもできます。記憶に残った授業はありますか?素材転換の実習です。僕は哺乳瓶のシリコン型を取って鉛を流し込みました。素材が置き変わるプロセスを通して、モノの形や素材が内包する歴史を含めた意味を再考することを学びました。彫刻が成り立つ理由を見つけた気がして、同級生の作品も講評も強く印象に残ってます。10年後、それから将来どんな自分になっていたいですか?10年後は、、自分のアトリエを設計して自分で作る。作家として自立する!すごく先の未来で、誰が作ったかとかコンセプトとか、何も分からなくなっても、誰かがその存在を見つけてくれる様な作品を作りたいです!これから受験する後輩に一言を!美術館やギャラリーとか、いろんな作品を観に行くといいのかなって。すると受験自体が柔軟で楽しくなって、入学するための受験じゃなくって、彫刻するための受験みたいなるんじゃないかなって思います。彫刻学科を志望したきっかけは?中学のときから美術の授業が好きで、その中でも立体を作ることが楽しくて、立体ならではのパワフルさに惹かれて、、その頃から美大にいきたいと思っていました。実際多摩美に入ってみてどんな印象でしたか?入学直後にインスタレーションを主軸とした実習があって、「彫刻」って自分が思うよりもっともっと幅が広くて深くて、こんなに面白いんだ!って思いました。4年生になった今はどう感じてますか?今は、、空間に何かを置くことによって、その空間が変化していくみたいなことが、自分にとっての「彫刻」なんだな、面白いなって思っています。それから多摩美にはアクティブな面白い人が沢山居て、私は1人で制作する時間も好きなのですが、それとは別にみんなでモノを作ることも大好きなんです。それで、彫刻学科だけじゃなく他学科の人たちとも、いろんなプロジェクトを並行してやってきました。そこでは様々な専門的なことを勉強している人たちの話が聞けるし、自分の幅を広げられるんです!例えば今は八王子市の選挙投票済み証と、若い人に選挙投票を促す啓発ポスターを他学科の学生と作っています。自分が作った何かが、その後社会でどう使われていくのかを思考する事はとても大切だし、いろんなプロジェクトを通してデザインや社会と繋がっていく表現の可能性のようなことに興味が生まれました。だから、将来は仕事と作品制作、この二つを両立したいと思っています!制作室の様子について教えてくださいアトリエは周りの学生が作品を作っている様子も間近で見られるし、お互いにアドバイスできるような空間になっていて、一緒に成長している感じがします。ライバルでもあるし、制作を手伝い合ったりもします。3年次の学外展は授業の一環で沢山の人に作品を見てもらえる場所で展示をしました。それが大きな制作のモチベーションになったし、フライヤーを作るところから、展示構成まで自分たちで相談しながら決めていったという経験は貴重だったなと思います。先生たちもどんなアイデアでも親身に聞いてくれて、距離が近くて相談しやすいです。これから受験する後輩に一言を!大学生の時間って、考えたり想像することを一番突き詰める時間だと思います。そしてそれを作れる時間がある。受験って試験対策とか、毎日同じことの繰り返しだったりすると思うんですが、いろんなところに行ったり新しいものを見たりした方がいい。そして、自分を表現する!自分って何だろう何がしたいんだろうって沢山考えて、大学に来てそれを思いっきりやってほしいなって思います!在校生インタビュー林 理有多彫刻学科2年萩原 寧音彫刻学科4年

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