多摩美生の作品展示約950点、210団体が約2600点を出品するフリーマーケットがオンラインで楽しめる芸術祭
~いろんな刺激を受けて、まだ知らない自分に出会う3日間~
2021年10月29日(金)~31日(日)多摩美術大学WEB芸術祭2021『TAU loading...』開催

今夏、新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受け、芸術祭実行委員会の学生たちは2年連続となるオンラインでの芸術祭開催を決定しました。今年のテーマは『TAU loading...』。クリックひとつで読み込めていろんな刺激を受けられるWEB芸術祭が参加者全員にとっての「ローディング期間」になる、というイメージです。ローディング期間で参加者それぞれがまだ知らない自分と出会い、新たな表現を生み出すきっかけとなることを目指したいと話す芸術祭実行委員の3人に今年の見どころなどをうかがいました。

TAMABI e-MAGAZINE 2021.10.18

写真左から、芸術祭実行副委員長◎井川脩人さん(情報デザインコース3年)
芸術祭実行委員長◎本郷 武さん(グラフィックデザイン学科3年)
芸術祭実行委員広報局長◎町田鈴奈さん(芸術学科2年)
芸術祭実行委員会に代々引き継がれている「祭」という漢字を手で表した「芸祭ポーズ」で。

昨年の経験を生かしてさらに進化した
「今だからこそできる芸術祭」を届けたい

―― 今年の芸術祭もオンラインでの開催となりました。難しい判断だったと思いますが、どのように決定されたのでしょうか。

例年遅くとも7月末には方向性を決めて準備を開始しなくてはならないのですが、今年は新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している状況でした。3年生の実行委員はリアルでの芸術祭を経験している人たちで、その「お祭り感」を知っていたり、「芸術祭ってこういうものだよね」っていうイメージを持っていたりするので、それが2年連続で出来なくて、ちょっとさみしいという気持ちは皆あったと思います。その気持ちを無理に切り替えるというよりは、うまく折り合いをつけるという感じで、「できる範囲で出来ることを最大限やろう」となりました。(本郷さん)

芸術祭は、自分たちの作品やパフォーマンスを外部に発信できる貴重な機会なので、こういう状況下でも何かアクション出来ないかと。前向きな考えでありたかった。さみしいと思う正直な気持ちはありつつも、それが「自分たちも楽しむ。来てくれた人にも楽しんでもらう」という考えにつながっていきました。(井川さん)

―― 今年のテーマは『TAU loading...』。 「タマビ、読み込み中」ということですね。

はい。ゲームやWEBサイトでデータを読み込んでいる時に表示される「Now loading...」にかけています。コロナ禍がすでに日常になっているなかで「いかに今を楽しむか」を大切にしようと皆で話をして。クリックひとつでいろんな刺激を受けられるWEB芸術祭自体が、参加した人にとって自分の新しい表現を発見できるような、皆にとってのローディング期間になることを目指したいというところに落ち着きました。(町田さん)

―― 確かに、ビジュアルデザインも「読み込み中」の感じがよく出ていますね。

ポリゴン調というか、若干解像度が荒いような感じにしています。色づかいも、長い時間見ていても目が疲れないようにということを意識しました。昨年の経験を生かして、もっとたくさんの人に見てもらえるように、今だからできる、さらに進化した芸術祭をお届けしたいと思っています。(町田さん)

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多摩美術大学WEB芸術祭2021『TAU loading...』メインビジュアル
10月11日現在、芸術祭オープニングまでのカウントダウンが表示されている。

リアル芸術祭と違ってココがいい!
&今年の見どころは?

―― 皆さんが考える、WEB芸術祭の良いところってどんなところでしょうか?

昨年、僕たちも初めてWEB芸術祭を経験してみて、とても楽しかったんです。フリーマーケットや作品展示にすぐにアクセスできて、気軽に見ることができる点はオンラインならではの利点ですよね。昨年は他大学もオンラインで芸術祭や学園祭をやっていたのでいくつか参加してみましたが、WEBサイトのビジュアルも各大学の特色が出ていると感じました。(本郷さん)

実際に大学に来なくても芸術祭を楽しめる点かなと思います。僕は北海道出身なんですが、親が毎年多摩美の芸術祭に行きたいと言っていて、でもなかなか距離的に難しくて。昨年はWEB芸術祭だったから楽しんでもらえたんです。距離を越えて遊びに来られるのはWEB芸術祭ならではだと思います。(井川さん)

SNSが発達しているので、TwitterやYouTubeなどいろんなメディアをミックスして、参加者とリアルタイムで交流できるのも良いところだと思っています。(町田さん)

―― ズバリ、昨年と比べて今年はここが進化してます!という部分はありますか?

昨年は芸術祭期間の3日間でだんだん閲覧者が減ってしまったという反省点がありました。今年はテーマがローディングということもあり、トップページにWEB芸術祭が終わるまでのカウントダウンを読み込むバナーを設置しました。芸術祭が進行していく様子を可視化して、いつ来ても新しい、ライブ感のあるトップページにしようと企画しています。(町田さん)

本祭のコンテンツとしては、10月30日(土)に音楽パフォーマンスの生配信を予定しています。多摩美生の作品展示のほか、昨年好評を得たオンラインマーケットも、今年も「minne」と「SUZURI」のご協力をいただいて開催します。また、同じく昨年好評たっだ「芸祭ラジオ」も3日間放送します。スペシャルゲストも登場しますので、ぜひ楽しんでもらいたいです。(本郷さん)

また、今年度は新たに各クラブ・サークルによるクッキング動画コンテストを企画しています。観覧者には一番美味しそうだと感じた料理を作った動画にTwitterで投票していただきます。模擬店の雰囲気を観覧者の皆さんも味わっていただけたら。さらに、多摩美エコ推奨キャラクター「タマムシ」の部屋を模した特設ページもあります。タマムシと一緒にキャンパスツアーをしたり、タマムシのオリジナルグッズを販売するコーナーなどを企画しています。(井川さん)

開催までの準備期間も、芸術祭に向けて皆で士気を高めて盛り上げていこう! ということで、SNSでさまざまな企画を実施しています。Instagramでは芸術祭に参加する団体やサークルの紹介、多摩美生のファッションスナップを公開しています。現在絶賛撮影中で、個性あふれる多摩美生のリアルクローズをお見せしていますので、ぜひチェックしてほしいです。開催直前はオープニングまでのカウントダウンとして、企画の詳細を具体的に発表していきます。(町田さん)

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【Instagram芸術祭カウントダウン企画】 多摩美生のリアルクローズを紹介する 『Tamabi Fasion Snap』より

皆で芸術祭という大学の「華」を作り上げる感覚が一番のやりがい

―― もうかなり内容も固まってきていて、あとは本番を待つばかりですね。コロナ禍での準備で、ここまで来るのも大変だったと思います。

基本的にはオンラインで週に1回打ち合わせていますが、感染防止対策の上、月に1回は必ず対面で集まって会議する場を作るようにしています。最初はメールやLINEでやりとりすることもあったのですが、なかなか上手く伝わらなくて。実行委員のメンバー間でWEB芸術祭の完成イメージをすり合わせるのも大変でした。やはり月に1度でも、顔を合わせてコミュニケーションをとることが大事だと感じています。(本郷さん)

実行委員のメンバーと直接会えるのはごくわずかの時間。その時間を皆が楽しめるように、会えた時にはとにかく声をかけるように心がけています。芸術祭自体を楽しいものにしたいということもありますし、自分が楽しむことももちろんですが、後輩たちに楽しんでもらって、実行委員をやっていてよかったなって思ってもらいたいというのはありますね。(井川さん)

―― どんなところにやりがいを感じていますか?

WEB芸術祭もリアル芸術祭もどちらも経験していますが、芸術祭というひとつの大学の「華」のようなものを作り上げている感覚は、何にも代えがたいと感じています。実行委員長という役職は前年度の実行委員会執行部からの指名だったのですが、使命感といいますか、「やらないと」と思って引き受けさせていただきました。大変なこともありますが、よりたくさんの人に多摩美生の活動を見てもらえる機会なので、頑張らなきゃと思います。(本郷さん)

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ギニュー特戦隊...ですか??(まさか)


―― 町田さんは入学してからはまだリアル芸術祭の経験がない学年ですが、どうして実行委員会に入ろうと思ったんですか?

いろんな人とひとつのものを作り上げるのが好きで、興味がありました。1年生だった昨年から実行委員会に入ってはいたのですが、急遽オンラインでの開催になって、昨年はほとんど運営にかかわることができませんでした。2年生になった今年、いきなり広報局長を任されて。先輩たちからの引き継ぎを受けて、試行錯誤を重ねて皆で工夫しながらやっています。また、昨年自分たちが参加できなかったからこそ、今年の1年生には芸術祭に参加している感覚を味わってほしいと思って、グッズやポスターのデザイン、SNSの発信など、積極的に仕事を受け持ってもらっています。(町田さん)

―― WEB芸術祭しか知らないと、逆に難なくやってのけられそうです。

それはあります。何の先入観もなくWEB芸術祭を楽しめているので、悪いことばかりではないと思います。昨年の経験を先輩たちが残してくれているので、どうやったらより運営をスムーズに進めていけるかを考えられています。(町田さん)

―― 来年はまたどんな状況になっているかわかりませんが、オンラインで芸術祭を開催した経験は決してムダにはなりませんよね。

そうですね、今後は僕たちよりもさらに上の代の卒業した実行委員経験者の協力を仰いでリアル芸術祭のノウハウの引き継ぎをする可能性もあるかもしれませんが、この2年で培ったWEB芸術祭開催のための技術や工夫はムダにならないし、これを踏まえて新しい芸術祭を次の代が作ってくれると思います。またひとつ進化しそうな気がします。(本郷さん)

今後はキャンパスでのリアル開催とオンラインの同時開催というハイブリッドの可能性もありますよね。多摩美の芸術祭ならではの進歩、進化が見られるといいと思います。楽しみです。(井川さん)

個性にあふれた発表や作品から、
多摩美の自由を感じてほしい

―― それでは最後に、アートやデザインが好きな全国の高校生など多摩美術大学WEB芸術祭に来てくれる皆さんにメッセージをお願いします!

多摩美は自由に自分の好きな作品が作れる環境です。「同じような人」というのが全然いなくて、個性にあふれています。それがぶつかりあうこともあれば、まざりあって新しい個性が生まれたり、何が起こるかわからないところが魅力です。そのなかでさらに芸術祭実行委員会は、学科・専攻を超えて多摩美のいろんなところにつながれる場所で、新しい発見が生まれる場所です。ぜひ芸術祭でそれを感じ取ってください!(本郷さん)

この状況下でも多摩美生はクリエイティブを頑張っているということを知ってもらいたいです。学生主体で作り上げたWEB芸術祭で、皆に楽しんでもらえたらと思っているので、ぜひそこから多摩美生のエネルギーを受け取ってほしいと思います!(井川さん)

皆、個性を生かしてすごくおもしろいものを作っていると思うので、それを見て多摩美の自由を感じてほしいです。Instagramのファッションスナップ企画でもすでに個性が爆発しています!(町田さん)

あまり難しいことは考えずに、目に入ったものそのままを楽しんでください!(本郷さん)

多摩美術大学WEB芸術祭「TAU loading...」
2021年10月29日(金)~31日(日)開催

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